三者共通講義  講師:井上邦雄 (東北大学 教授)

講義題目:ニュートリノ研究の展望

軽いニュートリノ質量や宇宙の物質優勢といった素粒子研究・宇宙研究の重要な課題に対して、ニュートリノ振動実験やニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索実験が注目されており、今後数年の間に、多くのプロジェクトが実験を開始しようとしている。同時に、ニュートリノを利用した地球物理・原子炉モニターなどの分野も新しく根付いてきている。これらの発展について特に日本の研究を中心に解説し、将来を展望する。

原子核パート

講師:八尋正信(九州大学 教授) pdf: 1, 2, 3, 4, 5

講義題目:不安定核反応論の構築に向けて

理研のRIBFによる不安核反応実験のデーターが豊富に、近い将来、出始める予定である。これによって、不安定核物理は飛躍的に発展するものと期待されている。この新しいデーターを精緻に解析するためには、信頼性の高い核反応論の構築が必要である。本講義では、散乱理論の基礎を復習した後、離散化チャネル結合法(CDCC法)の定式化と理論的基礎について講義する。また、最近、定式化したグラウバー近似に基づく微視的不安定核反応論について説明する。

講師:野中千穂(名古屋大学 助教) pdf: 1, 2, 3

講義題目:高エネルギー重イオン衝突実験から探るQCD相転移

クォーク・グルーオン・プラズマ(QGP)、そしてQCD相転移現象の解明を目指し、一連の高エネルギー重イオン衝突実験が行われてきました。特に2000年より米国ブルックヘブン国立研究所で稼働した世界初の衝突型加速器RHICでは強結合QGPという新しい知見を得るに至りました。さらに現在このRHICよりもエネルギーが高いCERN・LHCからの実験結果が待たれているところです。ここでは一連の高エネルギー重イオン衝突実験結果が現象論の助けを借りてどのように理解できるのか、どのようにQCD相転移の理解へと結びつくのかについて取り上げたいと思います。

講師:土手昭伸(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 助教) pdf: 1, 2, 3, 4, ppt: 1, 2, 3, 4

講義題目:ストレンジネスが拓くエキゾチックな原子核の世界

原子核の世界は様々な方向に広がっている。その一つの方向に「ストレンジネス」がある。陽子と中性子からなる原子核は近年の研究によって多彩な姿を見せることが分かってきた。 ストレンジクォークを含む粒子(Λなどのハイペロン、K-中間子)を新たに構成要素として持つ 原子核(ハイパー核、K中間子原子核)は、通常原子核にはない面白い性質を持つと期待される。これらストレンジ原子核の構造研究に用いられる理論的手法を紹介しつつ、このような原子核がもつエキゾチックな性質及びJ-PARC等での関連実験をレビューしたい。

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